「有給休暇」は、働く人にとって当たり前の権利ですが、実際にはほとんど使わないまま終わってしまう方も多くいます。
しかし、有給を使わずに働き続けると、体にも心にも悪い影響が出てきます。
場合によっては、周囲にまで気をつかわせてしまうことにもつながります。
本記事では、有給を取らない人の心理と、見過ごせないデメリットについて、解説していきます。

ぜひ最後までご覧ください。
有給を取らない人の心理
有給を取らない人には、それぞれの理由や考え方があります。
単に「まじめ」や「やる気がある」と片づけてしまうのではなく、その背景にある心理を理解することが大切です。
責任感が強い
有給を取らない人の中には、強い責任感を持っている方が多くいます。
「自分がいないと仕事が回らない」と思い込んでいるため、休むことをためらってしまうのです。
例えば、次のような考えが見られます。
- 他の人に仕事を任せるのが申し訳ない
- 周囲の負担が増えるのが心配
- 休むと手が回らない仕事が出そう
このような思いは立派ですが、長い目で見ると逆効果になることもあります。
心身の疲れがたまれば、かえって周囲に迷惑をかけてしまうかもしれません。

責任感が強い方ほど、計画的に休むことで、本当に必要な場面で力を発揮しやすくなります。
周りの目が気になる
有給を取らない理由として、「周りの目」が気になる方も少なくありません。
周囲から「さぼっている」「やる気がない」と思われたくない気持ちが強く出てしまいます。
例えば、以下のような不安があります。
- 休んでいる間に悪く言われるのではないか
- 上司の印象が悪くなってしまいそう
- 同僚よりも目立ちたくない
このような気持ちは、職場の空気や文化によっても強くなります。
しかし、労働者には休む権利があります。

周りの目ばかり気にせず、自分の体や心を大切にすることが、結果的には良い仕事にもつながります。
罪悪感がある
「自分だけが楽をしている気がする」「みんな頑張っているのに自分だけ休んでいいのか」といった思いから、有給を使わない方もいらっしゃいます。
こうした罪悪感の背景には、次のような心理があります。
- 仕事は休まず続けるべきという思い込み
- 周囲に頼るのが苦手
- 忙しい時期に休むことが怖い
有給取得に罪悪感を持つ必要は、まったくありません。

むしろ適度に休んだほうが、気持ちを切り替えやすくなり、仕事の効率も上がります。
上司に言いづらい
有給を申請しにくい理由として、「上司が怖い」「言いづらい雰囲気がある」と感じている人もいます。
特に、「休むのは甘え」という考えが根強いと、その傾向は強まります。
例えば、こんな状況が考えられます。
- 上司が有給申請に嫌な顔をする
- 休んだ人への悪口をよく耳にする
- 職場に休む人がほとんどいない
こうした環境では、有給がとりづらくなるのも無理はありません。
ですが、職場全体がそのままでは、誰も気持ちよく働けなくなってしまいます。

まずは自分が一歩踏み出すことで、周囲にも変化が広がっていく可能性があります。
仕事が好き
一部の方は、単純に「仕事が楽しい」「もっとやりたい」という気持ちから休みを取らないこともあります。
このような場合、本人にはストレスが少なく見えるかもしれませんが、無理は禁物です。
仕事好きな人には、以下のような特徴が見られます。
- 仕事が生きがいだと感じている
- 家よりも職場の方が居心地が良い
- 時間があればすぐ仕事をしたくなる
やる気があるのは素晴らしいことですが、長く働くためには休みも必要です。

意識的に心と体を休ませる時間を作ることで、好きな仕事にもより集中できるようになります。
有給を取らないことのデメリット
有給を取らないことには、さまざまな悪影響がともないます。
ただ休まないだけでは済まず、体調や人間関係、仕事の質にまで悪い影響が出ることもあります。
気づかぬうちに損をしていないか、一度立ち止まって見直すことが大切です。
体を壊しやすい
有給を使わずに働き続けていると、体に大きな負担がかかってしまいます。
どれだけ元気な人でも、休まずに仕事を続ければ体調を崩す可能性が高いです。
例えば、次のようなリスクがあります。
- 睡眠不足や疲れがたまりやすくなる
- 風邪や体調不良をこじらせやすい
- 長時間労働が続いて、生活のリズムが乱れる
元気で働くためには、しっかり休むことが必要です。
「がんばりすぎて倒れてしまった」では意味がありません。

こまめに有給を使って体をいたわることで、長く健康に働けるようになります。
ストレスがたまりやすい
働き詰めの日々が続くと、知らないうちにストレスが大きくなっていきます。
その結果、気分が落ち込みやすくなったり、人に優しくできなくなったりすることもあります。
例えば、次のような悪影響が出ることがあります。
- イライラしやすくなり、周囲との関係が悪くなる
- 気持ちにゆとりがなくなり、集中力が下がる
- 趣味や家族との時間を楽しめなくなる
心を元気に保つためには、休みが欠かせません。

有給を取ってリフレッシュすることで、気持ちが軽くなり、また前向きに働けるようになります。
仕事の効率が下がる
ずっと働き続けていると、体も心も疲れて、仕事の効率が悪くなります。
「とにかく働けばいい」という考え方では、かえって成果が出にくくなることもあるのです。
例えば、以下のような状態に陥りやすくなります。
- ぼんやりしてミスが増える
- 判断に時間がかかるようになる
- アイデアや工夫が出にくくなる
集中して良い仕事をするためには、休みが必要です。

有給をしっかり使うことで、頭と体の回復が期待できます。
権利が無駄になってしまう
有給を使わずに捨ててしまうのは、いわば「自分の財産を捨てている」ようなものです。
せっかくの権利を無駄にしてしまうのは、もったいないと言えるでしょう。
具体的には、次のような損があります。
- リフレッシュする機会を失う
- 旅行や家族との時間を持てなくなる
- 自分の成長に使う時間が減る
有給は、ただの休みではなく「自分の生活を豊かにするための時間」です。

しっかり活用することで、多くのメリットが生まれます。
周りも休みづらくなる
有給を取らない人がいると、その影響で周囲の人まで休みにくくなってしまいます。
本人は「自分の問題だから関係ない」と思っているかもしれませんが、実際には職場全体の雰囲気に影響を与えています。
例えば、以下のようなことが起きやすくなります。
- みんなが「自分も休まないほうがいいのでは」と感じる
- 職場全体の有給消化率が下がる
- 我慢する人が増えて、職場に疲れがたまる
こうした空気は、知らないうちに「休みにくい職場」をつくってしまいます。
一人ひとりが遠慮なく休みを取ることで、「お互い様」と思える環境が整っていきます。

自分が率先して有給を使うことが、周りの働きやすさにもつながるのです。
まとめ:休むことも大切な仕事
有給を取らない人には、まじめで責任感の強い方が多い傾向があります。
周りの目を気にしたり、休むことに罪悪感を持ったりと、本人なりの理由があるのも事実です。
しかし、そのまま休まずに働き続けると、知らないうちに大きなデメリットが生まれてしまいます。
この記事でお伝えしたように、有給を取らないことで起こる悪影響には、以下のようなものがあります。
- 体を壊しやすい
- ストレスがたまりやすい
- 仕事の効率が下がる
- 権利が無駄になってしまう
- 周りも休みづらくなる
有給休暇は「権利」であり、「サボり」ではありません。
遠慮せずに使うことが、自分のためにも、周りの人のためにもなります。
元気に、そして長く働くためには、しっかり休むことも大切な仕事のひとつなのです。