どれだけまじめに働いていても、「それは君の責任だろ」と理不尽に責めてくる上司に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本来ならチームとして支え合うべき関係なのに、上司から一方的に責任を押し付けられると、やる気も自信もなくなってしまいます。
本記事では、部下に責任を押し付ける理由をわかりやすく解説しながら、無理なく付き合うための工夫や、自分を守る方法をご紹介します。

つらい状況を少しでも軽くするヒントを、一緒に見つけていきましょう。
部下に責任を押し付ける理由
理不尽に責任を押し付ける上司の行動には、何らかの理由があります。
それが正当化されることは許されませんが、「なぜそのような行動に出るのか」を理解すると、自分を守るヒントが見えてきます。
自分の評価を守りたいから
上司の立場にある人は、社内での評価をとても気にしています。
そのため、少しでも自分の評価が悪くなるようなことがあると、無意識にでも他人に責任を向けるようになります。
特に評価が数字や成果で決まる職場では、失敗が直接「減点」となることがあります。
すると、どんなに小さな問題でも、自分が関わったと見なされるのを避けようとするのです。
評価を気にする上司の行動には、次のような特徴があります。
- 上層部への報告で部下の名前だけを挙げ自分を除外
- 「私の指示ではなく自主的にやった」と説明をすり替える
- 成功時は「教育のたまもの」と手柄を独占する姿勢を見せる

評価に縛られた上司ほど、部下を犠牲にしてでも自分を守る傾向が強くなります。
立場が弱くなっているから
責任を押し付ける上司の中には、過去の失敗によって立場が不安定になっている人もいます。
自分が再び同じように責められることを恐れて、今度は先に部下に責任をかぶせようとするのです。
- プロジェクトの進行が遅れて、会社に損失を出してしまった
- 自分の判断ミスでチームの目標を達成できなかった
- 部下のトラブルにうまく対応できず、管理能力を疑われた
このような失敗がトラウマのように残っていると、「また自分が責められたらどうしよう」と感じやすくなります。

無意識に責任を押し付ける行動につながっている可能性があります。
責任をとりたくない性格だから
根本的に「責任をとることを避ける性格」という場合もあります。
これは過去の経験だけでなく、もともとの考え方や性格によるものです。
このタイプの上司は、自分が「悪者になること」を極端に嫌がります。
そのため、問題が起きるとすぐに他人に原因を求め、自分を正当化しようとします。
性格的な傾向が強い上司には、以下のような特徴があります。
- 何が起きても「自分は関係ない」という態度をとる
- 話をすり替えて相手を混乱させる
- 正論を言っても受け入れず、自分の考えだけを押し通す

このような上司を相手にして、「なぜ話が通じないのか」と悩んでいるのは時間がもったいないです。
上司に責任を押し付けられないための対処法
責任を押し付けられる前に、日頃から自分を守る工夫をしておくことがとても大切です。
予防的な行動をとることで、トラブルに巻き込まれる可能性をぐっと減らすことができます。
指示は記録に残しておく
責任を押し付けられないようにするためには、日頃のやりとりをしっかりと記録に残しておくことが有効です。
特に口頭での指示は、後で「そんなこと言っていない」と言われやすいため、注意が必要です。
記録に残すことで、自分自身の確認にもなりますし、いざというときの証明にもなります。
また、上司が忘れてしまった場合でも、落ち着いて対応することができます。
記録の仕方としては、次のような工夫があります。
- 指示を受けたあとに「確認のため」として内容をメモに残す
- 不安な点はその場で聞き直して、言葉の意味を明確にする
- 大事なことは日付・時間を明記して保管しておく
記録することは、自分の努力を見える形にする手段でもあります。

普段からコツコツと残しておくことが、自分を守る力になります。
報連相を徹底する
「報連相」をこまめに行うことは、トラブル回避の基本です。
自分の行動や考えを上司や周囲と共有することで、「言っていない」「聞いていない」といった問題を防ぐことができます。
この積み重ねが、「責任を押し付けづらい状況」をつくることにもつながります。
相手に常に情報が届いていれば、後から言い逃れされる心配も少なくなります。
実践するポイントは以下の通りです。
- 小さな進捗でも定期的に報告しておく
- 自分の判断で動くときは、事前に一言相談を入れる
- 連絡した内容は記録に残しておく
日々の行動が積み重なれば、信頼されると同時に、責任逃れの矛先にされにくくなります。

地道な努力が、いざというときの支えになるのです。
疑問点はその場で確認する
あいまいな指示や分かりにくい言葉に対して、「まあ大丈夫だろう」と受け流してしまうと、後で責任を押し付けられるきっかけになることがあります。
疑問に感じたら、すぐに確認する姿勢が大切です。
自分の判断で進めると、大きな問題につながりかねません。
確認をするときのコツは以下の通りです。
- 「念のため確認させてください」と丁寧に聞く
- 曖昧な言い回しは具体例を挙げて尋ねる
- 「これで進めていいですか?」と最後に一言たずねる
その場で確認することにより、後々の誤解を防ぐだけでなく、安心して仕事を進められるようになります。

「聞く勇気」が自分を守る大きな力になります。
状況が改善しないときの選択肢
あらゆる工夫をしても状況が変わらない場合には、無理を続けるのではなく、新たな環境を選ぶことも大切です。
自分を大切にするための「最後の手段」も知っておきましょう。
信頼できる上司に相談してみる
すべての上司が理不尽なわけではありません。
職場には、きちんと部下を思いやる上司も必ず存在します。
まずはそうした人を見つけ、相談することで、状況を変える糸口がつかめることもあります。
信頼できる上司に相談することは、自分を守るだけでなく、会社にとっても問題の把握につながります。
相談するときのポイントは以下の通りです。
- 「誰かを責めたい」のではなく「解決したい」という姿勢を見せる
- できるだけ冷静に、起きた事実を順序立てて説明する
- 相手の意見を受け止めつつ、自分の希望も伝える
一人で抱え込むよりも、味方になってくれる人がいるだけで気持ちがずいぶんと楽になります。

職場内で信頼できる人との関係は、大切な支えになります。
部署の変更を相談する
同じ会社の中でも、部署や上司が変わるだけで働きやすさが大きく変わることがあります。
理不尽な上司との関係に限界を感じたときは、異動を申し出るのも一つの手段です。
自分の事情を正直に話すことで、理解を得られる場合も多くあります。
異動相談の際に意識したいことは以下の通りです。
- 「環境を変えて力を発揮したい」と前向きな表現で伝える
- 不満をぶつけるのではなく、事実に基づいて話す
- 相談の相手は、信頼できる人を選ぶようにする
異動が叶えば、心機一転、新たな環境で気持ちよく働くことができます。

無理に同じ場所にとどまる必要はありません。
転職もひとつの道と考える
どうしても状況が改善しない場合、最終的には「転職」という選択も現実的に検討すべきです。
無理に耐え続けて心をすり減らすよりも、自分に合った職場を見つけた方が、長期的に見れば健全です。
転職を考える際の心構えは以下のようなものがあります。
- 今の職場で得た経験を振り返り、自分の強みを整理する
- 次の職場では「どんな環境で働きたいか」を具体的に考える
- 自分の価値を信じ、「よりよい環境に行く」という気持ちを持つ
我慢だけでは幸せになれません。

自分にとって安心して働ける場所を探すことも、立派な仕事への向き合い方です。
まとめ:押し付ける上司に負けないために
責任を押し付ける上司に出会うと、理不尽な思いをすることが増えます。
しかし、必要以上に傷ついたり、自分を責めすぎたりする必要はありません。
大切なのは、自分を守る行動をとり、心をすり減らさない工夫をすることです。
責任を押し付ける上司には共通する特徴があり、それに対する予防策も存在します。
一つひとつを実践していくことで、理不尽な状況に流されずにすみます。
上司との関係は、自分だけの努力では変えられないこともあります。
だからこそ、「自分を守ること」「自分の価値を大切にすること」を最優先にして働くことが大切です。
理不尽な上司に負けず、自分らしく働ける環境を少しずつでも整えていきましょう。